ここにおりん——。移住して分かった「浜松」のやさしいメッセージ

今回の舞台は、浜松のなかでもとくにゆったりした時間が流れている三ヶ日町。

このまちにある農家民宿カフェ「coco-Rin(ココリン)」を手がけているのは、久米ゆきさん。出身地の広島県とご主人の地元である浜松で二拠点暮らしをしながら、さまざまなコミュニティを広げています。

「ココリンは、地元の方言の『ここにおりん=ここにいてもいいよ』っていう温かみのある言葉に由来しているんです」

デザインやアートマネージャーとしての仕事を続けながら、三ヶ日の魅力をたくさんの人に知ってもらおうと活躍の場を広げる久米さん。その浜松ライフに密着してみました。

久米ゆきさん

1984年、広島県呉市生まれ。デザイナー、アートマネージャー。7年前から浜松に移り住み、地元の広島と二拠点暮らしをしながら、2020年に浜松市三ヶ日町で「農家民宿カフェ coco-Rin」をオープン。地元のママたちと協力しながら、みんなの駆け込み寺になるような場作りを目指す。

浜松は面倒見のいい人たちばかりで
驚きました(笑)

久米さんが浜松にきて驚いたのが、なにより「人に恵まれていること」だったそうです。

「思いやりとあたたかみのある人が多くて、私は大好きです。最初は『よそものが何やるんだ』と言われる覚悟だったんですけど、まったくそんなことはなく、むしろ『一緒に動いちゃるわ』っていう反応だったんです(笑)。今でも私が相談すると解決方法を教えてくれたり『coco-Rinは三ヶ日の宝だから守ってやる』と言ってくれたり。本当にその恩返しの気持ちでやっています」

困っている人がいたら助けずにはいられない。そんな浜松の人柄が伝わるエピソードをたくさん話してくれました。

「仕事がない、家がない、って言えばいつの間にか話が動いていることもあります(笑)。おせっかいというか……ほっとけない人が多いんだと思います。たとえば災害とか色々な苦しいことがあっても、ここなら一致団結してみんなで乗り越えていけるんだろうなって感じるくらい」

そんな「人に恵まれたまち」だからこそ、さらに自分もみんなが活躍できる場を作りたかった、という久米さん。

「すごい素敵なまちなのに、女性が胸を張って集まれるような場所がなかったので、世代を超えて交流できるcoco-Rinという場を作りました。地域のママや女性の中にはそれぞれ専門知識を持っている方も多いんですが、結婚や出産を機にそういったスキルを発揮する機会がなかったんです」

素敵な生産者とつながりやすい!
浜松はやっぱり「食材の宝庫」です

農家民宿カフェ「coco-Rin」では、地元のオーガニック食材や祖父から受け継いだ農園のみかんを使ったソースなど、「地球にやさしい、心にやさしい」というテーマでつくったランチプレートが人気。

「うちのカフェでは、生産者さんのお人柄までお客さまに伝えられるように、メニューを1つひとつ説明します。誰がどんなふうにつくった食材なのかを伝えることは大事だと思うんです。そしてやっぱり浜松は食材の宝庫だなって感じます。海も川も山も湖もあるし、素敵な生産者さんと出会いやすい地域ですね」

「私、12年前に難病にかかってしまったんです。そんなとき、”You are what you eat(あなたはあなたの食べたもので出来ている)”っていう西洋のことわざに出会いました。食生活を見直してから体調も徐々に良くなっていって、そこからオーガニックのカフェをやりたいなって思うようになったんです」

その点、浜松には自然のパワーが詰まったさまざまな食材が身近に。

「豊かな自然に育てられた食材を食べていると、私たちも元気になります。たくさんの方にそのパワーとおいしさを感じてもらいたいです」

水辺の2号店、移動販売、6次産業……
浜松で叶えたい夢がたくさん!

さらに最近、目の前に浜名湖が広がる2号店として「水辺のcoco-Rin」もオープンしました。

「ちょうど2ヶ所めを考えていたとき、まちの先輩に相談したところ『この場所、使い』って声をかけていただいて。これもご縁ですね。2号店は『ザ・浜松』という心地いい景色に囲まれたテイクアウト専門のカフェです」

また、久米さんは「coco-Rin」だけではなく、手仕事を子どもたちと一緒に体験できる「UBUBU」というサークル活動も手がけています。さらに、浜松中心部への移動販売や地元食材を使った6次産業化にも取り組み、今後は介護事業なども展開する予定だそう。

「私は、手仕事を大切にしています。たとえば、子どもが自分で食べるものを自分でつくるという体験は小さい頃からやっておいたほうがいいですし、息子も自分で育てた野菜は残さず食べます(笑)。『お味噌だったら塩と大豆だね』など、自分でイメージできることも大切ですよね。こういった場さえあれば、これからも世代を超えて交流していけるかなって」

私が好きになった浜松。
もっと気軽に遊びにきてほしい。

「私は結婚をきっかけに浜松に来たんですが、出会う人たちのあたたかさやぬくもりにすごく感動しました。coco-Rinにもよく移住を検討している人たちが『話を聞きたい』と泊まりにきてくれるので、改めて移住希望の方が多いんだなって感じます。浜松なら、少し地元の人に相談するだけで、どんどん話が膨らんでいくこともありますよ(笑)」

「関東からも関西からもアクセスがいいのが浜松の特徴ですし、都会っぽいところに住みたい人には都会の顔、田舎を求めている人にはゆったりした田舎の顔もあります。まずは1回、浜松に遊びにきてください」

ここにおりん(=ここにいてもいいよ)。

久米さん自身もそんな地元の言葉に癒されて、今では受け入れる側としてあたたかさに溢れたカフェや農家民宿を営んでいるんですね。

取材協力:農家民宿カフェ coco-Rin

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